カノンの冬休み。

今年の冬休み、娘のカノンはピアノコンクールに挑戦しました。

昨年の11月に地区大会を通過し、年明けの東京で、全国大会に出場してきました。

結果は残念ながら、ファイナルのアジア大会へは進めませんでした。

この経験は、カノンの今までの人生の中で(まだまだ短いけど!)、初めて味わう挫折感だったと思います。

さすが全国大会でした。

昨日の自分より・・・、5分前の自分よりも上手になりたい!という思いで必死に練習してきた子たちばかりです。

コンクール独特のピリピリした緊張感の中で、カノンもそれなりに手ごたえのある演奏が出来たようでした。

だからこそ、壁に貼り出された審査結果に自分の名前がなかった時、ロビーの隅で声を殺してカノンは泣きました。

全国大会へは、カノンが師事する先生も長岡から上京し、私たち親子に付き添ってくださいました。

演奏前には、カノンの気持ちがベストコンディションに保てるよう我が子のように見守り、演奏後は、いつもより控えめに、カノンの演奏を褒めてくださいました。

今思うと、全国大会の難しさをわかっていらっしゃるからこそのカノンへのご対応だったと、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです。

そして、泣いているカノンの頭を撫でながら、先生は「よ~く頑張った!」と、目を真っ赤にして言ってくださいました。

生徒の一生を左右するような場面を共有するという重責を、コンクールへのエントリーを決めた時から、先生は一緒に背負ってくださっていたのです。

             大会前日、ピアノの前で精神統一。

このコンクール結果は、私の中では想定内のはずでした。

エントリーから今まで、少しでも良い結果が出るよう時間を調整し環境を整え、いつもベストな体調で練習が出来るように気を配ってきました。

でも、コンクールの厳しさも知っているだけに、心の中ではいつも、もし良い結果が出なかった時はどうやってなぐさめようか・・・、どんなことを言ってやれば良いだろうか・・・、と考えていたのでした。

会場から私の実家に帰るまでの1時間半。

電車に揺られながらカノンが発した言葉は「東京って、いろいろとすごいね・・・」の一言だけでした。

用意していたはずの言葉は何も言えず、落ち込むカノンになぐさめや励ましの言葉をかけてくれたのは、先生やピアノ仲間やお友達、パパ、祖父母たちで、そんなたくさんの温かい優しさに、カノンを包みこんでもらいました。

これからのピアノに関しても、私からは何も言いませんでした。

もし「もう弾きたくない!」と思っていれば、それはそれでしょうがない、とさえ思いました。

翌朝、開いているのか閉じてるのかわからないような泣き腫らした目で朝ご飯を食べ終えたカノン。

少し恥ずかしそうに「・・・ピアノ弾きたい」と言って、実家のピアノを弾き始めました。

全国大会で弾いた課題曲を一通り、次は地区大会で弾いた課題曲を弾きました。

そしていつも通り、ハノンから練習曲をていねいに弾いていました。

その日の夜、今回のコンクールのことやピアノのことを、カノンはたくさん私に話してくれました。

少しの間だけ、ピアノなんて大っ嫌い!て思ったこと。

私には、音楽の道に進む力なんてないわ!と自信をなくしたこと。

そもそも、なんのためにピアノを弾いてるのかわからない!と思ったこと。

でも、今の自分の中から「ピアノ」が無くなってしまったら、とても耐えられない!と思ったこと・・・。

本番に向けて色んなことを我慢してたくさん練習するのは大変だったけど、コンクールに落ちて初めて「今これがやっと自分との戦いなんだ!」と、わかったそうです。

「つらくてつらくて・・・、でもまた頑張ろう!て思えるようになるまでが、こんなに苦しいなんて、初めて知ったよ」と、わんわん泣きながら言いました。

そして、ひとしきり泣いた後「は~、なんかスッキリした」と言って、大声で笑い出しました。

結果発表までの長い待ち時間。映画を見たり、きれいなイルミネーションの下を歩いたり。

なんだかんだ、カノンはコンクール後も、毎日ピアノを弾いています(^^)

時々、ぼーっと考え事をしたり、ため息をついたりしていますが、きっとあともう少し、自分と戦う時間が必要なのでしょう。

受けて良かった!と思っています。

とてもくたびれるし、怖いし、ドキドキするし、挑戦する本人も親も指導者にとっても大変なことだけど、コンクールじゃなきゃ勉強できないことが、やっぱりたくさんあります。

ピアノ演奏に関しての技術や意識の向上はもちろんのこと、それ以上に、人間的に学び得たものがとても大きかったです。

東京に行く時に「がんばってね!」と幸運が舞い込むというキーホルダーを渡してくれたお友達。

カノンちゃんらしい演奏ができますように!と、長岡でずっと祈ってくれていたお友達。

挑戦するのがcool!と、励ましてくれたお友達。

ご自身のお嬢様が大学受験という大切な時期なのに、ずっとカノンに寄り添ってくださったmami先生。

「人生、山あり谷あり・・・」と、なかなか感動的な話をカノンにしてくれた、私の父・・・。

泣きながらパパに電話で報告したカノンに「東京行って良かったな!良い経験したな!この経験はカノンの財産になるな!」と、パパが話してくれたそうです。

本当にそのとおり。

がむしゃらに頑張った練習、たくさんもらった応援の言葉、温かい言葉・・・、たくさん考え悩み、それでも前を向こう!と戦ったこと・・・。

これはカノンの財産です。

教室関係者のご存知だった方にも、温かい応援のお言葉をいただきました。

ありがとうございました(^^)/

またお互い、頑張って高め合って行きましょうね!

カノンの冬休みの挑戦。

長文を最後まで読んでくださり、ありがとうございましたm(__)m

10年間送っていただいた絵本こぐま社からのバースデーカードも、今年が最後になりました。

            「カノン、10歳のお誕生日おめでとう!」

                               2017年1月12日

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