捨てられないもの。
年度末も押し迫り、雛人形を片付けると同時に、毎年、片付け熱のスイッチが入る私。
マメに整理しているつもりでも、キッチンからは賞味期限切れの調味料・・・。
冷蔵庫には「勿体ない」と、取っておいたけど結局使ってないワサビの小袋・・・。
クローゼットの中で溢れかえっているカノンが書いた1年分の絵や図工の作品。
一晩飾って写真に撮ってから、エイヤ!と捨てる!
雑巾みたいなタオルも捨てる!
「いつか使えるかも」と取っておいた、空き箱やクッキーの空き缶コレクションも、捨てる!
捨てる、捨てる、捨てるのダ!
でも毎年、やっぱり捨てられない物がある。
『レッスンカルテ』
ピアノ講師を始めた頃からの習慣で、今でも生徒さん一人一人のレッスン記録を書き続けている。
レッスンの指導ポイントや出した宿題を書くことで、次回のレッスンの組み立てがしやすいし、一ヶ月前、一年前、5年前のレッスンへもさかのぼり、指導プランの確認や修正も出来る。
メモすることで連絡事項の伝え洩れや重複を防いだり(^^;)
生徒さんの予定や様子も書き込んであるので、後から読み返すと、とても感慨深い。
例えば大人の生徒、タカさんのレッスンカルテ。
「〇月○日、ご両親へ挨拶に行くためレッスン日変更」
「○月○日、結婚式」
「出産予定、○月○日」
「○月○日、育児談話に花が咲く」
などなど・・・。
ピアノ上達の記録だけでなく、生徒さんの人生の記録になってる(*^^*)
恥ずかしがり屋で入門の頃から私とはなぜかジェスチャーで会話をすることが多かった、春には5年生になる、ののちゃん。
小学校に入学し環境の変化でいっぱいいっぱいで頑張っているのが伝わってきた、ののちゃんのあの頃のレッスンカルテ。
『レッスン室に入るなり「今日ね、みんなでバスに乗って、山に行ったんだよ」と嬉しそうに話す』
ののちゃんが初めて学校の遠足で東山ファミリーランドへ行った日の記録だ。
話をしてくれたこと、遠足が楽しかったこと、ののちゃんが小学校に慣れた様子に安堵した気持ちがよみがえる。
レッスンがない日にゆきちゃんが郵便受けに入れてくれたお手紙も、ここちゃんが広告の裏に書いてくれた可愛らしい絵も、レッスンカルテと一緒に大切に入っているよ。
生徒さんから聞いた楽しい話、時には厳しいレッスンで泣かせてしまった日の涙マーク、一度も間違えずに演奏出来たことに自ら感動し涙する生徒さんの記録・・・。
レッスンカルテ・・・たまる一方だけど、やっぱり捨てられない!
みんなのレッスンカルテを読み返すのが恒例の年度末、思い出に胸がいっぱいになりながら、新しい年度への力が湧き上がってくる。
3月いっぱいで教室を去る生徒さんもいる。
あと数回しかレッスン出来なくて寂しいけど、成長と思い出をいっぱいレッスンカルテに書き込もうと思っている。